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『CLANNAD』の聖地・青森県八戸市の聖地巡礼レポート

2023年5月20日〜21日、青森県横浜町で4年ぶりとなる菜の花フェスティバルが開催された。横浜町は日本トップレベルの面積を誇る菜の花畑が有名だ。そしてこの菜の花畑は『CLANNAD AFTERSTORY』で登場する”あの菜の花畑”なのである。

ということで僕は、横浜町で開催される菜の花フェスティバルのために、2023年5月19日から22日まで八戸市に滞在することになった。

実は八戸市は、僕が幼少期に住んでいたことがあった。岡崎朋也に似た境遇なのである。

それで15年以上ぶりに八戸市に訪れてみたところ、想像以上に面白い場所になっていた。ということで聖地巡礼レポートという形で、独自の視点で八戸市を紹介してみようと思う。

目次

青森県八戸市とは?

八戸市は、本州最北端の都道府県である青森県の東部に位置している市だ。青森市・弘前市と並ぶ青森主要3市の1つである。

Good Point

八戸といえば港町の印象をお持ちの方が多いだろう。実際、八戸はれっきとした港町である。ということで、まず八戸はグルメが充実している。

八戸で最も有名なご当地グルメといえばせんべい汁だ。どの定食屋に行っても、大体せんべい汁がメニューに並ぶ。「みそ汁代わりにせんべい汁」というセットメニューが当たり前のようにある。

それと八戸で最も有名な定食屋と言えば”みなと食堂”だ。まさに大行列店で、最低でも1時間待ちは覚悟しなければならないし、休日になると数時間待たなければならないことがある。ただし、ここのひらめ漬け丼は最高だ。

また、港町らしく市場も八戸の魅力で、とりあえず八食センターには赴くべきだろう。八戸駅や繁華街からバスが通っていてアクセスが良い。グルメとショッピングを楽しめる八戸の代表的な観光スポットだ。

もう少しディープな港町文化を楽しみたいなら、館鼻岸壁朝市が良いだろう。日曜日の日の出から9時ごろまで開催されるこの朝市は、魚介や野菜はもちろんのこと、コーヒー、ミシン、骨董品なども販売されているらしい(残念ながら僕は赴けなかった)。

もちろん、八戸は朝だけでなく夜も充実している。特に盛り上がっているのが横丁文化だ。八戸の中心街には8つの横丁があり、風情のある居酒屋が軒を連ねている。全体的に少し割高なのが難点だが、雰囲気は最高だ。

また、観光スポットでいくと、蕪島と是川縄文館はマストだ。

蕪島は八戸駅から電車で15分ほどの鮫駅が最寄駅で、蕪島神社が鎮座してある。この蕪島の最大の魅力はウミネコで、とにかく信じられないくらいのウミネコが蕪島を埋め尽くす。

また、是川縄文館は国宝・合掌土偶が有名だ。展示のディスプレイがオシャレなことも相まって、非常に魅力的な観光スポットとなっている。

そして何と言っても、八戸市には”みちのく潮風トレイル”が通っている。日本で最も長いロングトレイルであるみちのく潮風トレイルは、東日本大震災で壊滅的な被害を受けた沿岸部がメインルートとなっている。現在、この”みちのく潮風トレイル”が世界で非常に注目されており、世界で最も権威のある旅行誌の1つである『コンデナスト・トラベラー』にも取り上げられた。

一見するとグルメが目立つ八戸だが、八戸の魅力は歴史・自然にあると思う。是川縄文館で歴史を学び、南部で伝統工芸に取り組み、みちのく潮風トレイルで自然を楽しむ。そして繁華街に戻ったあとに、グルメをとことん楽しむのだ。これが八戸の楽しみ方だと思う。

Bad Point

正直、八戸の悪いところはあまり見当たらない。

外国人観光客対応も手厚いし、キャッシュレスも比較的対応している。たしかにラーメン店など一部の飲食店では現金文化が残るが、大きな問題にはなっていない。

交通アクセスも比較的便利で、バスがそれなりに充実しているし、JR八戸線も1時間に1本ペースで通っている。

また、グルメも朝から夜まで充実していて、とりあえず1日中楽しめる。

強いて難点を挙げるとしたら、富裕層の囲い込みだろうか。八戸市に高価格帯のホテルはほとんどないし、高級料理店も多くない。少なくとも1つぐらいは高級ホテルがあってもいいんじゃないかなと思う。

それと、若者向けの娯楽施設もやや少ない。ただしこれも見方次第では長所だろう。八戸を訪れる層は、比較的落ち着いた世代が多いので、観光客の質をキープできている側面がある。

八戸のアニメツーリズム

八戸にアニメ聖地はほとんど存在しない。

個人的に八戸は非常に面白い街だと思っているので、多分、いつか八戸を舞台にしたアニメは登場すると思う。いや、もしかしたら僕が個人制作で作るかもしれない……。

余談はさておき、八戸でアニメツーリズムを楽しむのであれば、やはり『CLANNAD AFTER STORY』だ。作中でも八戸駅が登場している。

そして『CLANNAD AFTER STORY』の聖地巡礼を実施するのであれば、横浜町の菜の花畑も欠かせない。

ちなみに青森県全体で見ると、弘前市のアニメツーリズムが熱い。『変好き』や『ふらいんぐうぃっち』などのアニメ聖地があるし、有名な観光スポットである斜陽館もある。

また『CLANNAD AFTER STORY』にて、朋也が祖母と会話するシーンで描かれた岬のモデル・龍飛崎は津軽半島にある。

そう考えると、もし青森県のアニメ聖地を全部回りたいのであれば、八戸市ではなく青森市に滞在するのがベストだろう。横浜町の菜の花畑は、青森駅からでもアクセスできる。

編集後記

一体なぜ、アニメ聖地がほとんどない八戸市で聖地巡礼レポートを書いているのだろうか。

よくよく考えてみれば、この聖地巡礼レポートは、その名の通り聖地巡礼に関するレポートなわけだから、アニメ聖地のある市区町村のみを紹介すべきなのである。

しかし、それでも八戸市の聖地巡礼レポートを書いているのは、純粋に八戸が素晴らしい場所だったからだ。これは幼少期に過ごしたという思い出補正も多少は入っているのかもしれないが、それを抜きにしても、八戸は素晴らしい場所だった。

観光のメインテーマである”歴史”と”自然”が上手くミックスされていると思うし、八戸市民特有のライフスタイルも面白い。

そして何といっても、八戸は今、クリエイティブの方向に進んでいる。

本レポートでは紹介していないが、八戸はクリエイター育成に舵を切っており、「八戸ポータルミュージアム はっち」や「八戸ブックセンター」など、創造的な場所がいくつも存在している。正直、クリエイターの僕が「住んでみたい」と思ってしまったレベルだ。

そしてこの八戸におけるクリエイティブとは、あくまでも”ビジネス”ではなく”芸術”に焦点を当てているのも面白い。だからおそらく、八戸が観光地として花咲くのは当分先になると思うが、その頃には教養に満ち溢れた場所になっていると思う(だが既に、世界の旅マニアの一部は八戸の魅力に気づいている)。

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